☆ ほっと・あらかると

        川畑 道子


名刺交換のマナー

名刺交換は、初めて対面する相手とのスタートであり大切なシーンです。
女性の社会進出が増える中、女性も名刺の必要性が高くなって参りました。  
せっかく素敵な名刺を作っても、名刺交換がスマートに出来ないとマイナスイメージを与えてしまいます。正しい名刺交換のマナーを身につけビジネスや人生に役立たせて下さい。
                                 
◎名刺を差し出すときは
名刺交換は双方必ず立っておこないます。座っていても必ず立って行いましょう。
名刺を渡すタイミングは、目下の人から先に差し出します。訪問先の場合は、相手よりも先に名刺を差し出します。最初丁寧にお辞儀をし、名前を名乗りながら差し出します。複数で名刺交換を行う場合も目下から名刺を差し出しますが、同行者が上司または目上の場合は、先ず上司と相手が交換した後に行います。
  
◎名刺の差し出し方
相手の胸の高さに合わせ、自分の名刺を相手の方に向けて右手で差し出しますが左手を添えるとより丁寧になります。同時交換の場合はお互い右手で差し出し左手で受け取り、受け取ったらすぐに右手を添えます。

◎名刺を受け取るときは
相手から名刺を受け取るときは両手を差し出し、右手で受けすぐに左手を添えます。胸のあたりで丁寧に受け取ります。   
この時、相手の肩書名や名前に指が触れないように名刺の手前両端を持ちます。受け取ったら相手の名前を確認し、読めない名前は「失礼ですが」と一言添えてお尋ねします。 受け取った名刺はすぐに仕舞わずに、相手の名前を覚えるまではテーブルの上に置いていてもかまいません。また、相手が複数の場合は相手の席順に並べておいても良いでしょう。名前を覚えてから丁寧に名刺入れに仕舞います。

◎名刺のマナー
もし自分が名刺を取り出すのが遅れていて、相手が先に名刺を差し出した場合は、お待たせするより「お先に戴いて申し訳ございません。」と先に受け取ります。
自分が名刺を差し出して、相手から名刺を戴けない場合でも相手から名刺を戴くことを強要してはいけません。
また、 受け取った名刺にその場で日付を記入したりすることは不作法になります。(相手の携帯電話番号やメールアドレスは許される範囲です。)猶、持ち帰って紹介者など書き込むのは全くかまいません。

◎礼を尽くす名刺のマナー
手元に名刺を持ち合わせていない場合や、名刺を切らしていた場合は、相手に詫びてから会社名や名前を名乗ります。後日、詫び状を添えて自分の名刺を郵送するか次に会うときに必ず渡しましょう。

◎名刺は貴女の「顔」です。
細かいマナーに気をとられて、礼を尽くすことが疎かになっては本末転倒になります。
相手の方との『心の架け橋』の役目を名刺に託して、素晴らしい出会いを築いてゆきましょう。


『冠婚葬祭』とは‥‥

時を超え変わらず流れる錦川
時を超え変わらず流れる錦川

日本古来の四大礼式「冠婚葬祭」という言葉は日常の暮らしの中でしばしば口にするなじみ深い言葉ですが、冠とは、祭りとは、と改めて問われると返事に窮する方も多いのではないでしょうか…。


 「冠婚葬祭」とは人が生まれてから亡くなり、その後に行われるものまで含めた家族的催しや行事全般を示す言葉です。


 中国の漢の時代、宣帝の治世に戴聖という博士が礼記という儀礼に関する書をまとめました。

紀元前数十年前のことです。

中国では「四書五経」が学問の基本ですが、礼記は五経のひとつに数えられます。


 「礼記」に「六礼を修め、以て民性に節す」とあり、人生に欠かせない六つの礼を挙げています。

郷飲酒礼・相見礼の二礼と冠婚葬祭の四礼です。
・「冠」とは、誕生から長寿までのお祝い、たとえば成人式など、人間一生の節目の儀礼を云います。

・「婚」とは、縁談から新家庭までのお祝い、結婚式など人生の祝い事の中では最も華やかな儀礼です。


・「葬」とは、人生の最後をかざる悲しい別れの行事、臨終から葬儀、その後の法要を含めた儀礼を言います。


・「祭」とは元旦から大晦日までの主要な年中行事や先祖の霊をまつることを言います。日本人の暮らしの節目の行事として定着したもの(例えば、お正月・節分・雛 祭り・お彼岸・端午・七夕祭り・お盆・月見・重陽・冬至・歳暮等)が「祭り」というわけです。

 

 

冠婚葬祭で恥をかかないために

 「冠婚葬祭」のそれぞれの行事は礼と儀から成り立っており、それには伝統的なしきたりや習わしがあります。


 最近の風潮として、儀礼や作法を軽んじる傾向がありますが、現実に「冠婚葬祭」の行事が行われている以上、参加しないわけにはいきません。

 

 もともと、「冠婚葬祭」には社会的な役割があり、社会の一員である以上、これらの行事に参加せざるを得ない義務を負っているとも言えます。


 参加する以上は周りに迷惑や不快感を与えてはいけないし、最低限のマナーを心得ておく必要があります。

暮らしの中の一般常識とも言える作法や儀礼、その知識がないと、何よりも自分自身の評価が下がってしまいます。

 

 「儀礼や作法」のすべてを習得するのは難しいことですが、様々な行事や催しを多忙な現代生活の句読点と心得て、「冠婚葬祭」をうるおいや安らぎの楽しい行事と捉えて積極的に参加したいものです。