「いわくにってこんなに良い所」

今の岩国を易しく解説します!

講師 池元幸信 元岩国市水道局長

あなたもこれで もっと 岩国を好きになる!!

平成24年6月16日(土)13:30~ 

岩国市民会館第1研修室


池元幸信氏
池元幸信氏

日本人には自信のない人が多いです。

欠点はわかるが、良い所と言うと、なかなか思いつかない。

同じように岩国の良いところと言うと何でしょうか。

まず、白蛇です。

それと吉川家です。

特に広家公です。

関ヶ原の戦いの後、吉川広家は岩国の地3万石を受領し、1601年6月吉川広家は最初に由宇に着きました。

まちづくりをするために各地を歩き、横山に築城し、城下町の計画を立てました。その後今津や室の木の干拓事業に着手しました。吉川広家公により、今の岩国の形が出来たと言えます。

そして、広嘉公が造らせた錦帯橋です。

その錦帯橋の下を流れる錦川の水です。

 


私は水道事業に長く携わってきましたので、岩国の水道のことを話します。

皆さん、岩国の水道料金は安いと思いますか、高いと思いますか。

実は全国10万人以上都市(219市)では全国2番目に安いのです。

一番安いのが、富士市で口径13㎜で2ヶ月40㎥で2520円、岩国市は2562円です。

全国1001市町村では、5番目に安いのです。一番安いのは、山梨県笛吹市では640円の地域があるそうで、今のところ実質赤穂市が一番安いのです。しかし、これらは合併による特例措置で安くなっているので、その期限が来れば値上げせざるを得なくなるでしょうから、岩国市が一番安いといってよいと思います。

八戸市などは、9824円です。

ではなぜ、岩国の水道水が安いのでしょうか。

山口や萩、下関の水源は地下水でコストがかからないのですが、下関市は7200円で、いずれも岩国より高いのです。

市から補助金が出ているからでしょうか。岩国市の水道事業は市の会計からの補助金は出ていません。独立採算制でやっています。「家なんかは水道が来てないんだから、市の税金から補助金を出すのはおかしい」と勘違いしている人がいます。

水源は錦川の流水を引いて浄化しています。1tあたり110円かかります。これを一般家庭では65円で買っています。なぜそれが出来るかは、米軍に売っているからです。

平成2年に大口料金の改正をした時、余分にかかる米軍用の水道を浄化するコストを米軍に負担してもらうということで、1tあたり315円に値上げしたのです。米軍と言いましても、日本の思いやり予算から出ているのですが。

その頃、岩国市民一人当たりの使用料を1日300ℓと見込、この量が増加することも見込み、浄化処理能力を600ℓと計算していたのです。

ところが、不況やエコ意識が高まったせいか、生活が節水型になり、現在の使用量は375ℓにしかならず、浄水場に汲み上げるポンプの電気料金は高くなっているため、経営的に苦しい状態になってきています。

岩国の水をよそから来た人は美味しいと言ってくれます。これは先ほど言いましたが、錦川の流水を水源にしているからです。多くの水道は、ダム湖の水を水源にしています。溜まった水は不味いんです。市内のスーパーで調べたら、森の何とかというペットボトルの水が2ℓ98円でした。安い所では68円ぐらいであるんですか。でも水道水は1t65円です。しかも、ペットボトルの水は食品衛生法で決められた30項目位の検査で良くて、水道水は140項目以上の水質検査をしています。充分に安全は保証されています。

現在、岩国市水道局では1ℓ当たり20銭を積み立てて、水源涵養林の取り組みを行っています。市が水源の山を確保し、木を植え、育てて、川に流れ込む水の量を確保しようとする取り組みです。

また、昨年の震災もですが、日本は震災期に入っていると思われます。市民の衛生面での安心安全を守るためには耐震化を進めなければなりません。10年間で82億円必要と試算しています。水道局の1年間の売り上げが、60億ですから、大変なものです。

災害時のための2t給水車も2台配置することになりました。これが1千万円以上しますから、かける2で2千万円ですね。

この費用も独立採算制ですから、水道料金から出さなければならないのです。これらは、売り上げには結びつかない費用で、耐震化して、水道管が新しくなったから、もっと水を飲もうと言うことにはなりませんから。

それで、今は黒字ですが、料金値上げして、耐震化を急ぎ、市民の安全を確保しようと水道局もキャンペーンをやっているのです。こんど詳しく見て下さい。

それから、下水道がなかなか広がらない理由ですが、旧岩国市は、最初に申しましたとおり、干拓地で、高低差がほとんど無いのです。勾配を利用して、高いところから、低いところへ流すのですが、勾配がないので、非常にコストがかかります。これがなかなか普及しない理由です。

下水は合流式(雨水も一緒に)と分流式(別々に)の2方式ありますが、岩国は合流式です。30年に一度の大雨をも想定して菅を埋設していますが、最近は30年に一度、100年に一度という雨も度々来ます。それで、水につかるところがありました。ポンプの増設をして、処理能力を上げています。これにもコストがかかることです。

 

 

 


意外に知られていない岩国としては、歴史上重要な場面での岩国として、

一つは関ヶ原の合戦の後の、吉川氏入城。

二番目に明治維新の頃、四境の役の後、朝廷方と新港で和睦が結ばれています。

三番目は真珠湾攻撃の時「ニイタカヤマノボレ」という電報は、柱島沖に停泊していた戦艦長門から発信されています。

文学作品の中にも多数岩国が載っています。これは、宇野千代が文壇に紹介したからかもしれません。河上徹太郎もいますし、井伏鱒二の「集金旅行」は岩国が出発地でした。「どことなくひんやりとしたイメージのある町」と書いてあるそうです。確かにひんやりと言うのはあるかもしれません。

本を読んだ時に「岩国」が出ると覚えておくのですが、最近はよく忘れるので、付箋をすることにしています。

岩国市民が思っている以上に「岩国」のことは知られているかもしれません。

最近では、桐田商会、下野工業、大興工業から技能五輪の世界大会や日本大会に出ています。これは化学コンビナートがあるため、それに関連した鉄鋼や配管工事の技術が高いと言うことです。和裁で、岩国家政専門学校も出ています。

私は装港小学校のボランティアもしていますが、数年前に岩国の歴史を小学生が調べていて、新港は1812年に開港したと言うことが判り、それが、築港200年イベントに結びついています。

最後に岩国の誇るものに、福田岩国市長があります。

全国で、あの若さで市議、県議、衆議院議員を務めた市長は福田さんしかいないと思います。名古屋の河村さんはどうだったか、でも年は上ですから。

政治がなんたるかを知るためには経験が必要です。素人(経験の無い人)は言いっ放しになる事が多いのです。

そして、主義主張の違う人の意見を聞く度量を持っています。良いと思ったら、主義主張の違う人の提案も実行しています。

利害で行動したり決断したりしません。岩国市民、岩国市の利益のために政策を立て、行動・判断・決断が出来る人です。

若いです。ですから、記憶力が良い、今すぐに出来なくても、良い提案は後々になっても、良いタイミングで実現しようとする想いがあります。

人の話を聞く耳を持っています。権威主義者ではありません。

市民に選ばれたのだから、自分の言うことを聞け、と言う人ではありません。

市民は全てを認めて選んだわけではないのですから。

市民に判りやすいように枝葉を整えながら、市民に提示し、形にしてくれています。

福田市長がやっていることをもっと見て欲しいと思います。それで、もし違うと思ったなら、どしどし「違うよ」と伝えて欲しいです。独善になっていたら違うよと伝えれば良いんです。そんなことにはならない人だと思っています。